その他診療

皮膚科

最近、とても重篤な皮膚病が増えています。皮膚病の治療は時間がかかるものが多く、副作用が最少になるようエビデンス（証拠）にもとづいた治療が必要です。
特に、アレルギーやアトピーと診断された動物では、疑問や不安などについてとことん話し合う必要があります。

当院では皮膚科診療に力をいれておりますので、「皮膚病が長期間治らない」「治ってもすぐに再発してしまう」「ステロイド以外の治療法はないか」など、ペットの皮膚病でお困りの方は一度ご相談ください。

受診希望の方は、費用と時間の浪費を防ぐため、今までの診療経過（検査・治療薬・シャンプーなど）のメモをご用意ください。

皮膚病の原因

皮膚病の原因は主に、感染症・アレルギー疾患・角化症・内分泌疾患・免疫介在性疾患・先天性疾患・腫瘍・その他の8つに分かれます。
原因により治療法も異なりますので、まずは必要に応じた検査をして正しい診断をし、適した治療を行なっていきます。

多くみられる皮膚病

疾患	概要
アトピー性皮膚炎	ダニやカビなどに過剰に反応するアレルギー性の皮膚疾患で、柴犬やシーズーに多くみられます。顔（眼の周り・口周り・耳）や指の間などの痒みが特徴で、はじめは皮膚が赤くなり、ひっかき傷がみられます。慢性化すると皮膚はごわごわした感じになり（苔癬化）、色が黒くなっていきます。痒みや皮膚炎を抑える治療を行い、皮膚のコンディションを整えていくスキンケアを行っていきます。
膿皮症、細菌性毛包炎	犬に多く、表皮や毛包にブドウ球菌などが感染することで発症します。短毛種では背部に赤いぶつぶつ（丘疹）がみられることが多く、長毛種では腹部に脱毛やフケを伴う赤い斑がみられることが多いです。抗生物質の投与やシャンプー療法で治療します。
マラセチア皮膚炎	マラセチアという脂の好きな酵母に関連した皮膚病で、シーズーなど脂の多い犬種に多くみられます。シワが多く脂のたまりやすい首・内股・腋・腹部の皮膚が赤くなり、ベタベタした皮脂やフケが出てきて、強い痒みを伴います。匂いが気になる場合も多いです。抗真菌薬の投与やシャンプー療法で治療します。
ニキビダニ症	毛包に常在するニキビダニが、何らかの原因で過剰に増殖することで皮膚に炎症を起こす病気です。発症原因には、遺伝的素因・免疫不全・代謝疾患・年齢・栄養状態・ストレス・発情などが関連しているとされています。治療は、ニキビダニの駆虫と一緒に、シャンプー療法で皮膚のコンディションを改善していきます。
皮膚糸状菌症	皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌という真菌（カビ）に感染することが原因で、皮膚に脱毛やかさぶたなどの症状が起きる病気です。犬よりも猫に多くみられます。治療には抗真菌薬の投与が行われます。落ちた毛やフケが感染源になるため、生活環境や皮膚を清潔に保つことが必要です。また、人畜共通感染症でヒトにも感染することがあるため、注意が必要です。

内科

下痢や嘔吐、風邪など日常よくある疾患から、代謝疾患や心臓循環器疾患などの複雑な病気まで、動物にも様々な内科疾患があります。
当院では、問診・触診の後、必要に応じて各種検査を行い、治療を行っていきます。

以下のような症状がありましたら、ご相談ください。

■ 元気がない・食欲がない
■ 下痢・便秘・嘔吐
■ 水をたくさん飲む
■ 呼吸が苦しそう・咳が出る・発作が起きる
■ 頻尿・尿が出ずらい・血尿
■ 皮膚が赤い、かゆい、毛が抜ける
■ 性格の変化・頭が傾く・目が揺れる
■ びっこを引いている

敬老・犬痴呆

近年ペットが長生きになっているのは、家庭で目が行き届き、小さな異常を早期発見・早期治療していることや、ペットフードの改良によるものと言われています。
しかし、まだまだ若いと思っても、ペットは人間の数倍の速さで歳をとります。
日々の観察、食事管理、定期健康診断による健康管理を心がけましょう。
詳しくは当院までご相談ください。

犬の認知症（痴呆）は、加齢に伴い発症が増加する傾向にあります。老化に伴う脳の委縮や神経に毒性のある物質が脳に沈着することなどが、発症に関係していると考えられています。
認知症（痴呆）の予防は難しいため、早期発見・早期治療が大切です。少しでも認知症と思われる症状が現れたら、診察を受けるようにしてください。

認知症（痴呆）と思われる主な症状

■ ぼんやりすることが多い
■ 失禁する
■ 歩き方がおかしい
■ 耳が聞こえづらい
■ 鳴き方がおかしい